「燃えしろ設計」というのは、物件の木の柱や梁に対して、火災時の燃焼が想定される箇所の厚みをあらかじめ足しておくというものです。
この燃えしろ設計がなされている場合、不動産売却時に高評価のポイントとなることがあります。
今回はまず、燃えしろ設計のメリットが何かという点を解説したうえで、燃えしろ設計がある不動産をより高く売却するための方法もご紹介します。
燃えしろ設計がなされている不動産の売却におけるメリットとは?
燃えしろ設計がなされている不動産の売却における大きなメリットは、「相場よりも高い売却価格にできる可能性や、早く売れる可能性が高い」ということです。
その理由は、燃えしろ設計がなされている不動産は「準耐火構造」と認められ、これは長期優良住宅の条件のひとつにもなっているからです。
「長期優良住宅として認められている=長期優良住宅ではない一般住宅と比べて資産価値が高い」と見なされるため、買い手側から見ても魅力が大きいのです。
ちなみに、燃えしろ設計がなされている準耐火構造物件は火災保険料が安いというメリットもあります。
これは自分が不動産を売却するまでにその恩恵を受けられるというだけでなく、買い手側にとっても「買った物件の火災保険料が将来にわたって安くなる」というメリットがありますよ。
燃えしろ設計がある不動産をより高く売却するための方法とは?
燃えしろ設計がある不動産は「準耐火構造であるため長期優良住宅と認定される可能性が高く、一般住宅より高い価値があると見なされやすい」という強みがあります。
しかし、燃えしろ設計がある不動産でも「必ず一般住宅より高く売却できる」というわけではありません。
たとえば日々の使い方が悪く、メンテナンスもしていない状態だと高く売却するのは難しくなります。
実は、燃えしろ設計がある不動産をより高く売却するための方法とは「物件を良い状態に保っておく」ということなのです。
そのためには、以下のような注意点を頭に入れておきましょう。
●不具合が見つかったらできるだけ早く修理する
●数年に一度くらいは、構造部分などのチェックを専門家にしてもらう
●適切な換気をして、カビが発生しないように気を付ける
長期優良住宅は「長持ちするお家」として高い人気を誇りますが、どこまで良い状態で長持ちさせられるかは、そこに住む人の心がけと行動次第です。
「日ごろの維持管理の質が将来の売却額にも大きな影響を与える」ということを理解して、できるだけ良い状態を保つようにしましょう。